コアコンピタンスとは

コア・コンピタンス (Core competence)とは、ある企業の活動分野において「競合他社を圧倒的に上まわるレベルの能力」「競合他社に真似できない核となる能力」の事を指します。

ゲイリー・ハメルプラハラードがハーバード・ビジネス・レビュー Vol.68(1990年)へ共同で寄稿した「The Core Competence of the Corporation」の中で登場し、その後広められた概念です。その中でコアコンピタンスは「顧客に特定の利益をもたらす技術、スキル、ノウハウの集合である」と説明されています。

両氏の定義によると、コア・コンピタンスは次の3つの条件を満たす必要があります。

  • 顧客に何らかの利益をもたらす自社能力
  • 競合相手に真似されにくい自社能力
  • 複数の商品・市場に推進できる自社能力

コア・コンピタンスの具体例

企業のコア・コンピタンスは、ブランド、技術開発力、物流ネットワーク、生産方式、共通の価値観など、さまざまなものがありえます。

上述の論文の中では具体例として自動車産業が取り上げられ、ホンダにおけるエンジン技術(芝刈り機や除雪機から自動車までコア技術を幅広く展開)や、フォード買収前のボルボにおける安全技術などが挙げられています。

他にもソニーの小型化技術、米フェデラル・エクスプレスの物流管理システム、トヨタの生産管理方式などがコアコンピタンスの代表例として挙げられます。

例えばスポーツシューズ・メーカーのナイキの場合、他社の製品と比べて技術面、品質面で大きな差がない場合でも、消費者がナイキのシューズに対して高い価値を感じるのは、ブランドというコア・コンピタンスがあるからと言えます。

コア・コンピタンスの活用方法

コア・コンピタンスを全社戦略に活用する上で、以下の点を明確に定義しておく必要があります。

①ドメイン(事業を展開する領域)
②コア・コンピタンス
③資源配分(経営資源の全体的な最適化)

そして、上記に定義されたものに対して、企業はヒト、モノ、カネなどの経営資源を投入して競争力を高めていきます。これをコア・コンピタンス経営と呼びます。

コア・コンピタンス形成の成功事例は、すべて5年〜10年以上前から、未来を展望して長期的に企業力を鍛えてきた成果です。つまり、成功するためには、5年〜10年先を見越して、企業は目先の利益にとらわれることなく、自社のコア・コンピタンスを育て、補完し、未来の市場に備えなければならないのです。

コア・コンピタンスの分析方法

コア・コンピタンスを見極める場合、模倣可能性(Imitability)、移動可能性(Transferability)、代替可能性(Substitutability)、希少性(Scarcity)、耐久性(Durability)の5つの点について考える必要があります。どの要素が有効かは市場環境や競争環境によっても異なり、またいったん築いた競争優位も、市場環境の変化とともに陳腐化する恐れがあるため、継続的な投資やコア・コンピタンスの再定義、新たな能力の育成などの努力も欠かせません。

コア・コンピタンスは具体的に以下のステップで分析することが可能です。

  1. 強みの抽出
    SWOT分析などにより自社の強みを洗い出していきます。
  2. コア・コンピタンスの判定
    洗い出した一つ一つの強みに対して、以下3つの条件に当てはまるかを確認します。3つ全てを満たす強みはなかなか出ないため、厳格すぎる必要はありません。
    ・顧客に何らかの利益をもたらす自社能力
    ・競合相手に真似されにくい自社能力
    ・複数の商品・市場に推進できる自社能力
  3. コア・コンピタンスの明確化
    自社の経営戦略やビジョンに照らし合わせ、コア・コンピタンスをどのレベルまで引き上げるかを明確化していきます。
    この際、模倣可能性(Imitability)、移動可能性(Transferability)、代替可能性(Substitutability)、希少性(Scarcity)、耐久性(Durability)の5つの点で定義すると具体性が増します。