3C分析とは

3C分析とは、外部環境の市場と競合の分析からKSFを見つけ出し、自社の戦略に活かす分析をするフレームワークです。3Cとは、「市場(customer)」「競合(competitor)」「自社(company)」の頭文字。

1983年の大前研一により発表された論文「The “Strategic Triangle” and Business Unit Strategy」(”戦略の三角形”と事業ユニット戦略)により提唱された。

・市場分析のポイント
自社の製品やサービスを、購買する意志や能力のある潜在顧客を把握する。具体的には、市場規模(潜在顧客の数、地域構成など)や市場の成長性、ニーズ、購買決定プロセス、購買決定者といった観点で分析する。

・競合分析のポイント
競争状況や競争相手について把握する。特に、競争相手からいかに市場を奪うか(守るか)という視点を持ちながら、寡占度(競合の数)、参入障壁、競合の戦略、経営資源や構造上の強みと弱み(営業人員数、生産能力など)、競合のパフォーマンス(売上高、市場シェア、利益、顧客数など)に着目する。競合との比較は、自社の相対的な強みや弱みの抽出にも役立つ。

・自社分析のポイント
自社の経営資源や企業活動について、定性的・定量的に把握する。具体的には、売上高、市場シェア、収益性、ブランドイメージ、技術力、組織スキル、人的資源などを分析する。また、付加価値を生み出す機能や、コスト・ドライバーにも着目する。

3C(3C分析)

3C分析の目的

3C分析を行う理由は様々です。企業レベル、事業部レベル、製品単位など、さまざまなレベルで3C分析が使われています。

市場に対する自社の戦略を再定義をする際、3C分析はビジネス環境分析の一環として用いられます。また、新たな市場への新規参入や、撤退の検討にも同様に3C分析が使われます。3C分析はビジネスのあらゆるシーンで戦略策定の場面によく使われます。

3C分析は自社が事業を行うビジネス環境を分析するためのプロセスです。そして、3C分析では自社が事業を行うビジネス環境での成功要因(KSF)を導きだすことを目的とします。

3C分析の過程として、それぞれのCで以下の事を明らかにしなくてはなりません。

市場・顧客 その市場は魅力的か?
市場や顧客のニーズの変化を知る
競合 狙う市場での競合に勝てるのか?
競合が市場や顧客のニーズの変化にどのように対応しているかを知る
自社 狙う市場で競合に勝つためには自社は何をすべきか?
自社が市場や顧客にニーズの変化に合わせ、競合の対応を鑑みながら、自社が成功する要因を見いだす

3C分析を手がける前に目的を明確にしておけば、分析の範囲は必要最低限に絞り込むことができると同時に、よりポイントが明瞭な分析の実施につながります。

また、3つの要素の相互関係を意識することが重要です。顧客が変われば競合が変わる、競合が変われば自社の差別化ポイントが変わる、という相互作用が3Cの本質なのです。

これは、分析の手順にも大きく影響していきます。

3C分析の手順

3C分析の目的が明確になったら次は実際に3C分析を行います。

3C分析:市場・顧客

その市場は魅力的か?

3C分析はまず市場・顧客の分析からとりかかります。市場・顧客が変われば、競合も自社の差別化ポイントも変わってしまうため、評価・分析のしようがありません。

3C分析の市場分析で明らかにすることは、市場や顧客のニーズの「変化」です。分析では必ず「変化」に着目するようにします。

より効率的に3C分析を進めるため、市場分析でもフレームワークを用いましょう。市場分析では、マクロな視点でのビジネス環境分析、ミクロな視点での業界分析、そして顧客分析があります。

マクロ分析 景気変動、法の変更や規制緩和、人口動態の変化や流行の変化、新技術の誕生や普及、など社会的な変化を見つけ出す
ミクロ(業界)分析 業界におきる構造の変化に着目し、自社のビジネスに対する影響度合いを見いだす
顧客分析 マクロ要因やミクロ要因により、顧客の価値観やニーズがどのように変化しているかを探る

それぞれの分析にもよく使われるフレームワークがあります。

マクロ分析ではPESTが分析の代表的なフレームワークです。P:Politics(政治)、E:Economy(経済)、S:Society(社会)、T:Technology(技術)の頭文字が PESTになります。

PESTの頭文字となる、政治、経済、社会、技術における変化を明確にする作業がマクロ分析です。

ミクロ(業界)分析では、5Force(ファイブフォース)分析がよく使われます。このフレームワークは業界の競争環境の激しさを知り、該当市場がビジネスで利益の確保の可能性を把握するために用いられます。

ファイブ・フォース分析では、5つの要因(フォース)について分析します。

5つの競争要因 内容
同業者間の競争 競合企業数、業界の成長、ブランド、広告費用などから競争状態を評価

競争が激しくなる業界の特徴は以下のとおり。「同業者が多い」「成長の速度が遅い」「高コスト構造」「差別化しにくい」「生産能力の拡大が容易」「戦略のバラエティが豊富」「戦略と成果の因果関係が大きい」「撤退コストが大きい」

買い手(顧客)の交渉力 切り替えコストの高さや、(価格)交渉力などを評価

供給過剰などで買い手の交渉力が強まると、値下げ圧力などで自社の利益を圧迫することが起こる。

売り手(仕入先)の交渉力 差別化の程度、プレイヤー数、購買ボリュームの需要性、などから仕入れ価格に関する交渉力などを評価

供給者の交渉力が強まると、インテルとパソコンメーカーの関係のように供給者が自社の利益を奪っていくことが起こる。

代替品の脅威 代替品の価格、差別化とそれに対する顧客の認知から切り替えコストを評価

自社の製品・サービスが、ユーザーのニーズを満たす異なる製品・サービスにとって代わられてしまう脅威。

新規参入の脅威
ブランドの威力、切り替えコスト、必要な資本料、専門的知識や学習/経験曲線の影響などから市場への参入障壁の高さを評価
参入障壁が低く、また既存業者の力が弱い場合は、新規参入が容易で競争が激しくなる。

ファイブフォース分析でも、これらの変化に着目し、それが自社にどのような影響を与えるか分析・評価します。

最後に、顧客分析です。

マクロ、ミクロの環境変化が顧客にもたらす変化を分析し、顧客の価値観やニーズがどのように変化するか調べることが、顧客分析にあたります。製品のライフサイクル(Product Life Cycle)、アンケート調査をおこない、顧客の変化を明らかにしていきます。

3C分析:競合分析

狙う市場での競合に勝てるのか?

3C分析の競合分析では、競合が市場の変化に対してどのように対応しているかを知る事が目的です。3C分析の競合分析では、競合企業のビジネスの結果と、その結果を導きだした理由の二点に絞り分析を進めます。

競合企業のビジネスの結果は、結果そのものと結果を出したリソースに着目します。

結果そのものでは、競合企業の売上げや営業利益(率)、コスト、広告宣伝費を含む販売管理費用に着目します。言い換えれば、競合企業はビジネスとしての結果をどれくらい大きく出したかにあたります。

リソースでは、資産に着目します。ビジネスに資産(リソース)がどれだけ効率的に使われているかを評価します。ここではROEや一人当たりや店舗あたりの売上高、顧客あたりの売上げなどに着目します。

競合分析では次に、競合企業の結果の出し方に着目します。言い換えれば、売上げやリソース効率を高める仕組みについて明らかにします。

製品の開発、仕様、製造工程、販路、物流、マーケティング、営業、サポートなど、ビジネスに関連するあらゆる仕組み(バリューチェーン)を調査し、売上げや高い効率化の厳選となる仕組みや仕掛けを探し出します。

3C分析の競合分析では、市場分析での結果を考慮します。つまり競合企業が市場の変化に対してどのように対応しているか?そしてうまく対応できているところは?課題は?といった形で競合企業を評価します。

3C分析:自社分析

狙う市場で競合に勝つためには自社は何をすべきか?

3C分析の自社分析は、これまで3C分析を通じて行ってきた、市場分析、競合分析のまとめです。つまり、市場の変化と競合企業の市場の変化への追従・対応と自社を比較するにつきます。

自社分析を行いながら、競合企業の良い点を取り入れたり、競合企業がカバーできていない領域に進出するなど、自社のビジネスが該当市場で成功するための要因(KSF)を探ります。