2015年にはさまざまなスタートアップ企業が登場しましたが、2016年はどのような一年になるのでしょうか。2015年にも話題となりましたが、動画、VR、Fintech、IoT、AIがという5つのキーワードについて述べていきたいと思います。

動画

大局的なトレンドとして「テキスト→写真」から動画へと進化していくのは、一定程度自明な流れです。Facebookがプロフィールに動画をアップロードできるようにしたように、様々なサイトが動画に侵食されていくと思います。また、2016年は、動画の消費スタイルの変化があるのではないかと考えられます。例えば、musical.lyのタテ動画を、スマホユーザーが数秒間単位でスワイプすることに慣れれば、YouTubeのような動画サービスは古臭く感じられます。このようにその領域に対する参入の仕方やファンクションの担い方は多様に存在するわけであり、かつ動画そのものは表現手法の1つに過ぎないので、ユーザーへの提供価値や、UI/UXをどう最適化するかが各領域での勝負の分かれ目になると認識しています。

VR

VRはメガベンチャーがこぞって支援するアクセレーションを立ち上げている分野であり、そこを利用したベンチャーが生まれています。

すでにコロプラやGumiがVRに力を入れており、プレイステーションVRの登場により、VRのマス層への浸透が大きく進むと考えられます。それにともないゲーム会社や周辺プレイヤーへの注目度が大きく高まるでしょう。

また、Facebook、サムスンなどもVR機器のマス展開を開始しました。ベンチャーでは、Magic LeapやJauntVRなどが2016年中にブレイクする可能性があると思われます。そしてコンテンツの作成や、編集、配信、流通に関連した新たな技術・サービスの立ち上げが2016年に期待されるでしょう。

Fintech

FinTechは法規制の緩和や業界の理解も進み、2016年はさらなる盛り上がりを見せると思われます。

会計や請求などのバックオフィス効率化、決済分野を中心に、すでに投資の活発化、市場への浸透が進んでいます。提携や出資、自社サービスの展開など、既存金融機関も危機意識を持つだけでなく実際の行動に転化してくることも予想されるため、2016年からさらなる市場発展を迎えていくでしょう。

また、権利移転がともなうさまざまな取引にブロックチェーンのストラクチャー導入が検討されるようになり、ソフトウェアやAPIとしてブロックチェーン環境が提供できるソリューションの存在感が高くなるとも考えられます。

IoT

2015年は「IoT」という言葉が根付いた年となりました。IoTスタートアップの多くはハードウェアがネットにつながった段階にとどまっています。2016年はハードウェアに限らず、コア技術ベースのスタートアップが躍進するのではないかと思われます。

また、フィンランドのEnevoのように、今後はセンシングとビッグデータ解析を組み合わせ、付加価値の高いフィードバックを提供するIoTスタートアップが、ヘルスケア分野やマーケティング分野等で出てくるでしょう。

今後否応なく進展するIoT化にともない、さまざまなデバイスがネットワークにつながるようになると、従来のPCやスマートフォンのように人々が能動的に利用していた情報機器だけでなく、人々がそれと気づかずに日々動いている生活基盤や各種機器に対するサイバーアタックが増加されることが予測されます。このような対策技術の創出国として、欧米に加えて、イスラエルも大きく注目されています。

AI

2016年は、知能化された産業用ロボットが実際の製造・物流の現場に入り出す年になるでしょう。また、ドローン分野の産業用分野への応用展開も2016年には日本でも動き出すのではと期待しています。民間企業の進出や政治的にも特区指定などが急速に進展しており商用利用の拡大にともない、管制インフラの整備や金融等産業派生商品などの事業拡大が創出されるものと考えられます。

また、興味深い話題としては海外ですでに弁護士をリプレイスできると豪語するサービスがProduct Huntに掲載されていて話題になりました。

以上5つのキーワードについてまとめました。

投資環境の変化を考えるとトレンドやバズワードに流されることのない本質的な事業開発、やみくもな投資ではなく収益を意識した事業開発が、これまで以上に重要になってくると思われます。また、結局のところトレンドとして使われるかどうかよりもユーザーが使うかどうかがすべてです。投資側としては、たとえトレンドにならなくてもユーザーに使われる製品やサービスを見つけられる会社を探すとよいでしょう。